赤坂の迎賓館の花鳥の間に飾られている七宝焼きの花鳥図。
その数三十額。
作ったのは140年も昔の七宝作家・なみ川惣助。(なみって出てこないんです)
通常の七宝焼きでは下絵の線上に銅線をはり、線が囲まれたところに釉薬を流し込んで焼き上げます。
しかし、なみ川さんは、釉薬を流し込んでから銅線をそ〜と取り去ってしまう「無線七宝」を世界初でものにしました。
一見簡単そうですが、迎賓館の花鳥図は、まるで日本画のような繊細な色使いで、あれだけ緻密に描かれているとなると、膨大な手間と色使いの難しさが想像できるのです。
海外では
「もはや単なる焼き物ではなく、これは絵画だ」
と高い評価を受けました。
なみ川さんの作品を迎賓館に採用したのは、明治時代の画家・黒田清輝でした。
誰もなしとげていないこと。
そういうことを140年前に成し遂げた方でした。
私が思うに、絵でもイラストでもなみ川さんの七宝焼きでも、本当にすごいものには言葉なんかいらないんです。
説得力があるから。